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不動産投資分析




◇はじめに

 
不動産投資の利回りはインカム・ゲイン(主に賃料などの毎期の収入)とキャピタル・ゲイン(売却益)の総和です。
売る気はまったく無く、一生持ち続けるお考えの方でもある時点の不動産売却額を想定してシュミレーションされる
ことは有益です。不動産投資分析における考え方や用語を理解することにより不動産業者や建築業者に騙され
ない自分なりの投資スタンスが確立されるはずです。




◇表面利回り(単純利回り)って何?


不動産からの年間収入を物件価格で割った値です


       年間収入÷物件価格×100=表面利回り(%)


よく不動産業者が使う利回りとはこの事です。年間収入が分かれば投資家が希望する利回りで割りも戻せば希望する
物件価格が得られます。


       年間収入÷投資家の希望利回り=希望物件価格


ここで気をつけなければいけないのは、年間収入を現在の実績ベースで表記しているのか、満室時を想定した
利回りであるのかをしっかり見極めることです。また、出来るだけ収入を多くみせる為に賃料を下げて無理に
満室にしていないか。又は昔の契約で賃料が現状よりかなり高めに設定されていないか等調べて見ることです。






◇キャップ・レートって何?


長らく表面利回りが一般的に使われていましたが、最近キャップレートと言う言葉が良く聞かれるようになって来ました。
キャップレートとは

       NOI÷物件価格×100=CapRate(キャップレート)

NOI(Net Operating Income:ネット・オペーレティング・インカム)とは年間の総収入から必要な運営管理費
を差し引いた金額です。運営管理費には公租公課・損害保険料・管理委託費・修繕費・水道光熱費等、実際の
運営に必要な経費です。運営管理費には税務上経費参入される支払利息や減価償却費は含みません。


キャップレートは税務上の影響を受けませんので、国や地域が違っても同じ尺度で評価出来ますし、
PM(プロパティ・マネジメント)の能力も分かりますので、ファンド関係や金融機関を中心に一般的に
使われています。







◇DCR(デット・カバレッジ・レシオ)とは?

アメリカで一般的に使用されている指標で、年間の返済額の何倍の純収益が有るかを見る
数字で当然、数字が大きい方が安全です。普通1.2〜1.3以上が目安です。


        DCR=NOI(年間純収益)÷ADS(年間返済額)

       
             NOI=Net Operating Income
             ADS=Annual Debt Service







◇NPV(ネット・プレゼント・バリュー)純現在価値法


不動産投資におけるお金の流れは下記の図の様に表すことが出来ます。
NPVとは初期の投資額と将来の入金額の合計を比較して投資家が求める投資利回りより有利
か不利かを判断する分析法です。NPVがプラスなら投資採算が得られ、マイナスなら希望する
投資利回りは得られないと言うことです。


        NPV=PWCF(将来の入金額の現在価値の合計)−CO(投資額)


              PWCF=Present Worth Cash Flow
              CO=Capital Outlay


 





◇IRR(インターナル・レイト・オブ・リターン)内部収益率法


IRRとは将来の入金額の現在価値の合計と投資額が等しくなる時の率を言います。
言葉を変えれば、NPVがプラス・マイナスゼロになる時の率と言うことです。


          IRR=Internal Rate Of Retern





◇エクセルでNPVとIRRを求める


それでは表計算ソフトのエクセルを使って下記の設問におけるNPVとIRRを求めてみましょう。

不動産の投資額               10億円
投資予定期間                 5年間
5年後の売却予想額            12億円
投資家が希望する投資収益率       6%
1〜2年目のCF                2千万円
3〜4年目のCF                2.5千万円
5年目のCF                   3千万円







エクセルを立ち上げ答えを表示したいセルを選択し


「ツールバー」の「挿入」→「関数」→「関数の分類」→「財務」→「IRR」
を選びます。「範囲」にカーソルがあることを確認して、あとはマウスで
数字をドラッグするだけです。


同じくNPVは「割引率」のところに想定する利回りを入力し「値1」に
カーソルを合わせてドラックするだけです。

結果は図の通りで、この結果を容認するかは投資家の判断しだいです。


IRRやNPV、DCF分析などの分析法はあくまで投資判断に於ける
シュミレーション・ツールであり、正解・不正解を導き出すものではありません。
第一、数年間の収益や売却価格を正確に予測するのは至難の技です。
色々な場面を想定して最終的には投資家の経験や知識が重要になって
くると思います。





◇ヒューレットパッカードの金融電卓、HP-12C




投資分析には関数電卓が力を発揮します。PCも小型になり便利になりましたが
やはり電卓の気軽さが重宝します。20数年前より不動産業界で良く使われて
いるのがHP−12Cです。新型の後継機や他社からも色々と出ているようですが
今だに昔の12Cを使っておられる方も多いようです。

逆ポーランド法という一般の電卓とは入力方法が違うので慣れるまでに時間が
かかりますが、是非一度試してみて下さい。

尚、時間が許せばHP-12Cの使用方法の解説を書こうかなと思っていますので
請うご期待を(去年もそんなこと言っていたな (^_^;)






◇不動産投資分析表


山登りには地図が不可欠です。まったく行ったことの無い場所を地図無しで登るのは自殺行為です。
不動産投資にも地図は必要です。事業計画表とか収支表とか色々と言い方は異なりますが
どこにポイントを置くかによって内容も少しづつ違うようです。ゼネコンさんやハウスメーカーさんの
事業計画を見せていただく事も多いですが、正直に言って建築受注に繋がる様な見せ方を
されていて、一般の方には分かりづらいと思います。

不動産投資を考える場合、節税効果や資産の増加など色々とメリットはありますが
まず税引後のキャッシュフローがいくらになるのかが一番重要だと思います。
下記の表は私が使っている分析表です。参考にして下さい。









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