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「病院で死ぬということ (続)」 山崎 章郎 (著) 主婦の友社
本書を読んで何度か涙した。それは人が死ぬことへの悲しみに対する共感ではなく、死を受け入れ
自分らしく死んで行きたいと思う多くの生に出会った感動からだろう。人はいつか死ぬ。死ぬ時くらい
自分らしく死にたい。しかし現在の医療制度。死は敗北であり、1秒でも生かしておく医療の価値観の
中ではそれもままならないらしい。前半は著者の病院時代の話、後半からはホスピスに勤務してからの
事が中心になっている。抜群に上手い文章力に医者にしておくのはもったいないと言えば、失礼になる
かもしれない。
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「患者よ、がんと闘うな」 近藤 誠 (著) 文芸春秋
「がん」にはとかく暗いイメージが付きまとう。不治の病、苦痛に苦しむ姿、告知の問題。本書を読めば
そのいくつかは「がん」そのものの実態ではなく現代の医療制度が抱える問題から派生した事柄だと理解
出来るだろう。現在のがん治療の問題点を通して現代医療が抱えるさまざま問題点に目を向けさせたと言
う意味において本書の功績は大きいと思う。その後の多くの批判や議論を通して、医師と患者がより良い
医療を目指して協力出来ればと願うばかりである。
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「老いて、住む―マンション暮らし奮戦記」 門野 晴子 (著) 岩波書店
熟年層の都心マンションへの回帰が増えているらしい。子供達が独立し老後の事を考えれば医療機関
や文化的施設が集積する都心部への回帰も頷ける。減損会計等を背景に企業から安価な土地が放出され
たことによる値ごろ感もあるのだろう。しかし、安易なマンションライフへの憧れは禁物であることを本書は教
えてくれる。自ら60を過ぎ母親の介護の負担軽減を考えマンションを購入したのだが・・・。つぎつぎに起こる
事件の数々は決して人ごとでは無いはず。楽しく、そして考えさせられる好著です。
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「少年犯罪―ほんとうに多発化・凶悪化しているのか」 鮎川 潤 (著) 平凡社新書
本書のタイトルは日頃私自身が疑問に思っていることでした。明治以降の少年犯罪の報道やメディアに
取り上げられ方を検証することにより、犯罪の報道のされ方露出度などでどのように事件がイメージ作ら
れるかを検証しています。文中、警察関係者の意見として「犯罪検挙数は会社の営業成績のようなもの」
との発言が興味を引いた。昨今少年犯罪の特殊性、異常性がことさらに叫ばれているが本当にそうなのか、
疑ってみる必要を感じている。 |
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「少年A 矯正2500日全記録」 草薙 厚子 (著) 文藝春秋社
神戸の児童殺傷事件で関東医療少年院を今年、仮退院すると言うことでマスコミが騒いでいるが
今なお記憶に新しいこの事件をどのように捉えるかで揺れておられる方も多いことと思う。図書館の
予約待ちでかなり待たされたのもその表れだろう。著者は元少年鑑別所の法務教官の職に在った人である。
医療少年院の贖罪教育に対して好意的に書かれていると感じる方もいるかもしれない。個人的には少年による
犯罪は必ず更正出来ると信じている。いや信じたいのかもしれない。社会的影響を考慮し司法も更正施設も
特別対応で少年Aの更正に力を入れられた、それは素晴らしく感動的ですらある。しかし一般の少年犯罪者
はどの様な処遇のもと社会復帰させられるのかそこがとても気になった。
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「酒鬼薔薇聖斗への手紙―生きていく人として」 今 一生 (編集) 宝島社
作家や編集者、著名人、同年代の一般の方が酒鬼薔薇聖斗に手紙を書くという趣向で本が出来ている。
なるほどと思う内容もあるが概して面白くなかった。文中、少年Aと医療少年院で一緒だったという少年の
インタビューが載っている。親しくしていた担当教官が転勤する時に別室に呼んで二人で抱き合いながら
涙したエピソードが語られる。少年Aは悪魔か怪物か?いや以前も現在もただの人間なのである。
もしそれが言い過ぎなら以前、悪魔だったと言い換えても良い。
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『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』 ジョセフ・E.スティグリッツ(著) 徳間書店
邦題が悪いです。IMFや世界銀行、米国財務省などのワシントン・コンセンサスと呼ばれる世界の
経済政策を牛耳る機関の隠蔽体質と大国主義に批判の目を向けます。この本が良く有る類似本
と違うのは著者自身がその現場に立会い議論し合いつぶさに現実を見てきたからです。学者が書く
批判本と一味も二味も違った内容になっています。解説でリチャード・クー氏が「愛のある経済学」と
評していますが、理論だけでない現実を見据える目がそこに有ります。事はケインジアンとマネタリスト
の対立との単純な図式では無いようです。この本を読んでやっとクー氏が日頃から主張している論点
が分かった次第です。
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『コトラーのマーケティング・コンセプト』フィリップ・コトラー (著) 東洋経済新報社
フィリップ・コトラーはマーケティングの大家ですが、その分厚い内容と値段に圧倒され今まで一度も読んだ
ことがなかったのですが本書は値段も手ごろでアルファベット順に80のキーワードについて簡潔かつ適切に
解説がされています。教鞭を取りながらコンサルタントもこなす実務家ですから言葉に重みがあります。
もちろん図書館にもありますので一読下さい。 |
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「誤解だらけのマンション選び」 稲葉 なおと(著) 講談社
以前、不動産系MLで「マンション」に住むとはどう言うことか質問したことが有ります。
その時までマンション住まいは一戸建てに住みたいけど諸般の事情での代替選択だと
思っていたからです。答えは「防犯上の有利さ」や「メンテナンス性の有利さ」など私の考え
の至らなさを痛感するものでした。マンションに住むこととは?マンションはどう有るべきか?
この本は多くの問いに答えてくれると思います。マンション購入をお考えの皆さんは是非ご一読を。 |
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「下がり続ける時代の不動産の鉄則」 幸田昌則著 日経新聞社
不動産コンサルタントとして既に有名な方ですがまじめに読んだのは今回が初めてでした。
不動産バブルの崩壊を正確に予測したことで有名ですが不動産関連でお仕事されている方に是非読んで
頂きたい一冊です。景気が上向けば不動産も値上がりするとの幻想は早晩捨てた方が良いようです。
景気が良くなっても、要らない不動産は要らないのですから。
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経済学をめぐる巨匠たち 小室 直樹 著 ダイヤモンド社
橋爪大二郎や宮台真司氏など気鋭の社会学者を育てたことで有名ですがサミュエルソン教授
や森嶋道夫教授などの錚々たる経済学者に直接教えを受けていたとは知りませんでした。
とても難しいことを簡単に説明出来る。やはり小室氏はただ者ではございません。 |
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「 パーミション・マーケティング 」 セス ゴーディン著 翔泳社
著者は現在ヤフーの副社長になっているマーケティングのプロです。
perimissionとは「承諾」とか「よろしければ」などの意味らしいですが、今までのマーケティング手法を
interruption「邪魔する」「土足で」のマーケティングと対比して使われています。
この本を読めば、高額な広告宣伝費やきらびやかHPなどなんの役にも立たないことが良く分かりま。
よりパーソナルに、個人的な関係性を重視したマーケティングが求められていると思います。 |
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「不動産証券化の実践」佐藤一雄著 ダイヤモンド社
不動産証券化と言われても分からないことだらけですが、多くの疑問に応えてくれる本です。
税務や法務の詳細な解説本はありますが、証券化の全体像を俯瞰出来る本が少ないですが
実務家である著者の詳細な解説により有限会社+匿名組合のスキームが何故多いの?
何て疑問に答えてくれます。より実務的なことを知りたい向きに絶好です。 |
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「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」遥洋子著 筑摩書房
前から読みたいなと思っていた本を図書館で見付けて読み終わったところです。
いやぁ〜面白かった。遥さんは関西ではテレビで良く拝見するタレントさん
上野教授はフェミニズム論などの社会学者。どういう経緯で上野教授に学ぶことになったのか
興味があって読み始めましたが、こりゃ一級のフェミニズムの紹介本です。文章力や洞察力など
素晴らしいエッセイ集です。
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「コモンズ」ローレンス・レッシグ著 翔泳社
レッシグ氏はインターネットは初期においてオープンで中立的なプラットホームだったと詳細に事例を引き
ます。(インターネットとWWW.が同義語でないことに注意)誰もがイノベーションに参加出来る可能性が
ありフリーソフト運動などのリソースの共有ガ行われ真に民主的な場であったと。
しかし、過度の所有権の主張により、本来もっていたイノベーションを育てる土壌が大企業や国家により
管理され統治されることによりイノベーションを疎外し、民主主義を危機にさらしている。
大体の内容はこんな感じです。多くの事例を引用し、現在のアメリカに於ける
知的財産権の過度な介入に警告を鳴らしています。アメリカに追随して知的財産権の強化ばかりを口に
する日本の識者には一度読んで頂きたいですね。
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「大破局 フィアスコ」フランク・パートノイ著 徳間書店
著者は1967年生まれとお若いですが、93年から95年まで名門投資銀行のモルガン・スタンレー
でデリヴァティブに関する金融商品を組成、セールスもされていた方です。
現在はサンディエゴ大学で金融の助教授をされているようです。
著者は投資銀行時代にいかに顧客を騙し、自分達が多くを奪ったかを自嘲気味に回想しています。
最先端の知性を結集して脱法もいとわず金儲けに邁進する、もっと違う方向にその才能を
使えなかったのでしょうか?
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